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母豚の妊娠ストール(妊娠クレート)をやめたほうがいい10の理由

肉用の子豚を産まされる母豚は、妊娠期間である16.5週間(115日程度)の期間、妊娠ストール(妊娠クレート)に拘束されている。出産の直前に分娩ストールに移動させられ、また拘束されたまま子供を産み、拘束されたまま21日間程度授乳し、授精をされてからまた妊娠ストールで拘束される。人工受精時にすでに妊娠ストールで拘束されている場合も多い。

この妊娠ストールはEU、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、米国10州が禁止、または段階的廃止の段階にある。そして多くの多国籍企業が廃止を発表していっている。この廃止の流れは欧米にとどまらず、中国屋台などのアジア諸国にも広がっている。

やめていくのにはちゃんと理由がある。

1:常同行動がひどい

拘束されている母豚たちは、どこでも常同行動が観察される。目の前の鉄格子をかみ続けたり、口の中に食べ物が入っていないのに口を動かし続けたりする。
常同行動は、反復的ふるまいを伴う症状で、繰り返される対処行動、欲求不満、及び/あるいは脳の機能障害によって誘発される*1。

妊娠ストール 常同行動

2:病気になりやすくなる

ストールに閉じ込められている母豚は、群飼育されている母豚と比べると、骨と筋肉の強度が低下し、循環器系の健康が下がり、また脚・足の病気にかかりやすいことが示されている*2。妊娠ストール 病気

3:うつ状態になる

閉じ込められた母豚の間では、異常な無気力・無反応がはびこる*3。特に、つなぎ飼いによる束縛は、うつ病の状態を示すような神経生理学的変化をもたらすことが示されている*4,5。妊娠ストール 無気力 鬱

4:攻撃性を抑える方法は研究され尽くしている

知見のない生産者が群飼育をしたときに課題になる豚同士の闘争。豚同士の闘争を抑えるための方法は多数研究されてきており、EUをはじめ課題がすでに解決している。

群飼育

5:拘束するのをやめても生産性は悪くない

アニマルウェルフェアを進めると生産性が落ちるのではないかと考える人が多いが、豚の拘束飼育をやめても生産性が落ちないことが証明されている。*6

6:いろんな群飼育の方法がすでにある

群飼育の様々なシステムが開発されており、選択肢はたくさんある。管理がしにくいという言い訳はもう成り立たなくなった。
例えばフロアフィーディングで広範囲に餌を拡散させる給餌方法で、ブタの探索本能を発揮させ、ストレスを軽減させる。もう少し管理が必要と考えるのであれば、ロック式給餌ストールを利用すれば個別に給餌量を調整できる。電気式給餌システム(ESF)は耳タグか首輪で個体管理をして給餌するシステム。もちろん最も自然な放牧がよいが、多くのブタを管理することがすでにできるようになっているのだ。

7:分娩率が向上する

健康な豚は健康な豚を出産する。このことを知っていればもっと早くに群飼育に移行しただろうと話すのはフランスの生産者*7。拘束されていた豚よりも、拘束されていない群飼育の豚のほうが分娩のプロセスがスムーズであることがわかっている。

8:ESFを使えばビッグデータ活用ができる

電気式給餌システム(ESF)を利用した場合は、単に給餌量を管理できるだけでなく、豚全てのデータを分析することが可能になり水や飼料の消費量の追跡も可能になるし、パソコンの前に居ながら豚たちの異常を発見することにも繋げられる。

9:日本よりストールをやめたEUのほうが生産性が高い

日本とEU、米国との生産性の違いは明らかである。日本は常に欧米の後ろ姿を追いかけて畜産業を行なってきた。旧来のストール飼育だって欧米からやってきた技術でしか無い。日本には畜産がもともとなかったのだから、当然だ。研究も比較するととても少ない。成績優秀者を見習わない理由はどこにもないし、日本は違うのだというロジックは成り立っていない。放牧 養豚

10:自然な姿に戻るだけ

異常なのは、拘束飼育をするというこのストールシステムの方で、群飼育は当たり前の飼育で、自然な姿に近づくということ。なにもハードルはない。本来豚は群で暮らしているのだから、一番慣れた飼育状況であり、分娩前に群から離れて巣を作って子供を生んで、また群に戻ってくるという自然のサイクルに沿うだけだ。アブノーマルからノーマルに移行することになんの違和感もないはずだ。

経済性の面でも、動物にとっても、よいのであれば移行しない手はないはず。

母豚のアニマルウェルフェアに配慮した飼育システムについての資料を日本語で読みたいという生産者、養豚事業者がいらっしゃったらアニマルライツセンターにご連絡ください。お送りします。

*1Mason G and Rushen J. 2006. Stereotypic Animal Behaviour: Fundamentals and Applications to Welfare, 2nd Edition (Wallingford, U.K.: CABI, p. 347)
*2Panel for Animal Health and Welfare (AHAW). 2007. Scientific Report on animal health and welfare aspects of different housing and husbandry systems for adult breeding boars, pregnant, farrowing sows and unweaned piglets. European Food Safety Authority. The EFSA Journal 572:1‐107. www.efsa.europa.eu/sites/default/files/scientific_output/files/main_documents/572.pdf. アクセスした日時 2016年1月11日.
*3Scientific Veterinary Committee, Animal Welfare Section. 1997. The welfare of intensively kept pigs. http://ec.europa.eu/food/fs/sc/oldcomm4/out17_en.pdf. アクセスした日時 2016年1月11日.
*4Van der Staay FJ, Schuurman T, Hulst M, et al. 2010. Effects of chronic stress: a comparison between tethered and loose sows. Physiology and behavior 100(2):154‐164.
*5 De Vry J, Prickaerts J, Jetten M, et al. 2012. Recurrent long‐lasting tethering reduces BDNF protein levels in the dorsal hippocampus and frontal cortex in pigs. Volume 62(1):10‐17.
*6 Economic Impact of Transitioning from Gestation Stalls to Group Pen Housing in the U.S. Pork Industry
*7 http://www.pigprogress.net/Home/General/2013/12/Healthy-sows-lead-to-better-piglets-1365128W/

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 出典・引用元WEBサイト: NPO法人アニマルライツセンター 毛皮、動物実験、工場畜産、犬猫等の虐待的飼育をなくしエシカルな社会への更新情報

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