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【署名】拘束されて動けない フクロウのカフェの撤廃を



近年動物との「ふれあい」を目的としたビジネスが拡がっています。
中でもフクロウを利用したふれあいカフェを見かけることが増えてきました。

目のくりくりとした「愛らしい」フクロウと触れ合い、癒される。これがフクロウのカフェの売りです。しかしフクロウは人を癒すことに同意しているわけではありません。
「ふれ合い」と言われていますが、ふれ合っているわけではありません。片方を拘束して、もう片方が一方的に触っているだけです。

フクロウたちは、短いリーシュでつながれて飛ぶこともできず、水が飲みたいときに飲むこともできず、写真を撮られ、触られても飛んで逃れることができない拘束下で、商業利用されています。

【署名】拘束されて動けない フクロウのカフェの撤廃を  https://goo.gl/Rvstik





この署名は、フクロウなど猛禽類を利用する各ふれあいカフェ、各自治体の動物愛護行政、環境省へ提出します。
  • フクロウなど猛禽類を利用する各ふれあいカフェには、猛禽類を利用したビジネスの廃止を求めます。
  • 各自治体の動物愛護行政へは、第一種動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目(*1)、動物の愛護及び管理に関する法律(*2)、展示動物の飼養及び保管に関する基準(*3)に基づき、フクロウなど猛禽類を利用するふれあいカフェに、拘束展示の中止並びに飲水器の設置を指導するよう求めます。
  • 環境省へは第一種動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目、展示動物の飼養及び保管に関する基準に、動物の飼養施設について数値基準を設けるよう求めます。(*4)
*1 (赤字はARCが強調)
第一種動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目

第3条
飼養施設に備える設備の構造、規模等は、次に掲げるとおりとする。

ケージ等は、個々の動物が自然な姿勢で立ち上がる、横たわる、羽ばたく等の日常的な動作を容易に行うための十分な広さ及び空間を有するものとすること。また、飼養期間が長期間にわたる場合にあっては、必要に応じて、走る、登る、泳ぐ、飛ぶ等の運動ができるように、より一層の広さ及び空間を有するものとすること。ただし、傷病動物の飼養若しくは保管をし、又は動物を一時的に保管する等特別な事情がある場合にあっては、この限りでない。

第4条
飼養施設に備える設備の管理は、次に掲げるところにより行うものとする。

ケージ等に、給餌及び給水のための器具を備えること。ただし、一時的に飼養又は保管をする等の特別な事情がある場合にあっては、この限りでない。

ケージ等に、動物の生態及び習性並びに飼養期間に応じて、遊具、止まり木、砂場及び水浴び、休息等ができる設備を備えること。

※給水のための器具について
フクロウなどの猛禽類が水をほとんど必要としないという人もいますが、それは「飲まない」ということでも「給水設備が不要」ということでもありません。飲まない時もありますが、飲むときは1~2分飲水を続けることもあります。水を飲みたいときに自由に飲めるようにしておくのはきわめて重要です。
※砂場及び水浴び場について
鳥にとって羽毛はとても重要で、尾脂をすくい羽に塗り伸ばし、羽根同士の重なり具合を整え、水浴びあるいは砂浴びを行い、羽毛を常に清潔に保とうとします。フクロウも同様です。個体あるいは種類によって砂浴びか水浴びかに分かれますが、これらがフクロウに必要な設備であることには変わりありません。
*2(赤字部分はARCが強調)
動物の愛護及び管理に関する法律
第六章 罰則
第四十四条  愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
2  愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。

※虐待について
環境省通知「飼育改善指導が必要な例(虐待に該当する可能性、あるいは放置すれば虐待に 該当する可能性があると考えられる例)について」には、虐待に該当する可能性があるものとして「常時水を置いていない」が挙げられています。
*3(赤字部分はARCが強調)
展示動物の飼養及び保管に関する基準
第4 個別基準 1(1) 展示方法
イ 動物園動物又は触れ合い動物の飼養及び保管を適切に行う上で必要と認められる場合を除き、本来の形態及び習性を損なうような施術、着色、拘束等をして展示しないこと。
*4
第一種動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目、展示動物の飼養及び保管に関する基準には、動物収容施設の構造が記載されており、動物が、自然な姿勢で立ち上がり、横たわり、羽ばたき、泳ぐ等日常的な動作を容易に行うための十分な広さと空間が必要とされていますが、具体的な数値基準がないため「十分な広さと空間」が個人の主観にゆだねられてしまっています。動物種ごとに必要な広さと空間を数値で示すことで、実効性のある細目、基準となります。


インプリント(刷り込み)個体なら良いのか?

触れ合いフクロウに使用されているのはほぼCB(飼育下繁殖個体)です。(*)そして人の手でインプリント(刷り込み)されています。インプリントとは卵からかえった雛が、最初に見たものを親と認識する習性を利用して、人を恐れないようにさせたものです。
しかし同じインプリント個体であっても個体差があり、すべてのインプリントが人を恐れないわけではありません。また、インプリントの程度もあり、まったく恐れないようにするためには徹底したインプリントが必要です。そして、恐れないからと言って人に触られるのが好きだということを意味しません。またインプリント個体であることは、拘束飼育に適応しているという意味でもありません。

産まれてすぐに本当の親から隔離して長期にわたり人の手で育てて、人をまったく恐がらず、自分は「ヒト」で性対象も「ヒト」となったとしても、実際は「ヒト」ではなく「ヒト」として生きることはできません。バージニア州の野生生物センターの次のサイトを読むと、拘束展示と同様、人工的なインプリントそのものも虐待と言っても良いのではないかとすら思います。
Human-imprinting in Birds and the Importance of Surrogacy
http://wildlifecenter.org/news_events/news/human-imprinting-birds-and-importance-surrogacy

“インプリントとは、鳥が人に対して友好であるという意味ではない。また必ずしも人のそばにいることを楽しむという意味でもない。インプリントされた鳥は人を恐れない。そして恐怖の欠如が時に人に対して攻撃につながる。インプリントされた個体が自分と同じ種に行うのと同じように、人に対して自分のテリトリーを主張するのは珍しいことではない。本来なら鳥たちは、発声方法や姿勢、人への恐怖などを、自分の本当の自分の親や兄弟や他の鳥から学ぶのだが、インプリントされた鳥は、自分と同じ種の鳥とコミュニケーションするのも難しい状況にある。インプリントされた鳥は奇妙な振る舞いをして、適切なコミュニケーション能力が不足しているので、一般的に彼らと同じ種類の他の鳥に受け入れられない。最終的に、インプリントされた鳥は、彼らと同じ種とも人とも、適切な対話をすることができず、どちらでもないグレゾーンに自分の居場所を見つける。


飼育下で繁殖され人にインプリントされ、他のフクロウと一緒に一部屋に並べられ、毎日知らない人間に触られる。これほどフクロウを混乱させる状況もないのではないでしょうか。

*国内で野生のフクロウを捕獲することは鳥獣保護法で禁止されているため、国内で人の飼育下にあるWC(wild caught 野生化で捕獲)フクロウは輸入に限られます。

視界

猛禽類の眼は、人間よりはるかに優れています。タカ科の中には3500m先で活動している小動物を確認できるものもいます。夜目が利くフクロウの眼の感度は人間の100倍と言われており、弱い光に敏感な棹体細胞が網膜に多いため、逆に昼間の明るい光はまぶしすぎると考えられています。
そのような猛禽類が、「ふれあいカフェ」では遠くの景色を眺めることができず、昼間、部屋の中でライトに始終照らされて過ごすことを強いられています。

ハリー・ポッターの影響

フクロウのカフェがブームになったのは、映画「ハリー・ポッター」の影響も大きいと思われますが、この映画の悪影響は日本のフクロウカフェだけではありません。ハリー・ポッターをテーマとしたロンドンのスタジオツアーではフクロウが狭いケージに閉じ込められ残酷な扱いを受けていることを、動物の権利団体PETAが告発しています。
‘Stay magical, not cruel!’ Harry Potter owls mistreated at Warner studio tour, PETA says
https://www.rt.com/uk/243681-harry-potter-owls-cruelty/

この記事によると「ハリー・ポッター」の作者JK Rowlingは次のように言っています。
もし誰かが私の本の影響で、フクロウは小さいケージや家の中へ閉じ込められて幸せたと思っているのなら、私はこの機会にできるだけ強く言いたい。「あなたは間違っている」と。

野鳥保護団体オーデュボン協会(Audubon Society)は日本のフクロウカフェについての次のような記事を発表しています

The Bird-brained Idea Behind Japan's Owl Cafés
http://www.audubon.org/news/the-bird-brained-idea-behind-japans-owl-cafes
(数か所抜粋)
「フクロウはそのフレンドーな大きい目に反して、家畜化された動物ではない。ラテを飲みながら彼らを撫でるのは倫理的なことだろうか?」
「バージニア州の猛禽類管理局の Kent Knowles 氏は人間が犬や猫と同じようにフクロウを扱おうとしていることに恐怖を感じている。『そんなことができると考えることが理解できない。フクロウはペットではない。けっしてペットにはならない』」
「撫でるのはフクロウにとって極度のストレスになるので、フクロウを撫でたいという思いは捨てなさい。」
「Knowles 氏は言う。『最悪なのは、愛らしければすべての野生動物はペットにできるという考え方です。それは野生動物に対する完全に誤ったメッセージを発することになります』」
参考文献
「フクロウのすべてがわかる本」ジェマイマ・パリー・ジョーンズ著
「ザ・フクロウ」加茂元照・波多野鷹著
「猛禽類の医・食・住」パンク町田著
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猛禽類のカフェ 不適切な飼育は動物愛護行政へ通報と法令・基準の活用を
http://www.arcj.org/animals/zoo/00/id=655

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