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2017年5月14日、木下サーカスを見に行ってきました。

2017年5月14日、木下サーカスを見に行ってきました。
動物がどのような形で使用されているのか確認するためです。

初めに出てきた動物は檻に入れられた1頭ライオンでした。
手品師が黒い覆いを取ると檻の中に入ったライオンが現れるというパフォーマンスです。このあと第二部でライオンを使った15分ほどの見世物がありますが、この手品で使われたのはほんの一瞬だけでライオンはすぐにステージから引き下げられました。
ライオンは暴れるでも吠えるでもなくおとなしく檻の中に入っておりキョロキョロと視線を泳がせていました。

次に使われた動物は犬で、こちらも同じく手品でした。美女が箱の中から現れると手に小さな白い犬も抱えていたというパフォーマンスです。この犬も登場してすぐにステージから降ろされました。

次がシマウマ4頭です。ステージの上をただぐるぐると周り、5分ほどでステージから引き上げられました。
ここまでで第一部が終了です。このあとが後半の第二部になります。

第一部まで見て感じたのは「動物を使う必要があるのか?」というものでした。シマウマ4頭がステージの上をぐるぐる走り回っている時はむしろ観客のテンションが下がっているように感じました。女性が空中で行う華麗な演技のほうがよほど観客の感嘆の声や拍手が大きいと感じました。

小さな白い犬も、アクセントとして出されたのだと思いますが、観客から特に大きな反応はありませんでした。犬が出てきたときよりも、男性パフォーマーが布で隠れた一瞬で女性パフォーマーに変わった時のほうがずっと観客の驚きは大きく歓声が高くなりました。

檻に入れられたライオンについてはしかし、少し違います。ライオンが現れた時の観客の反応は、女性から男性へ一瞬にして変わった時と同じくらいの歓声が沸き起こりました。「まさかそこにライオンが」という驚きです。しかし意表を突くのに別にライオンである必要はありません。創意工夫で動物を使わない驚きを与えることはいくらでもできるはずです。
なによりも、ライオンを使わなければ檻の中で周りで何が起こっているのかわからないままステージの上で見世物にされ、ただ座って周りに目をキョロキョロと泳がせている悲しい姿を見ずに済みます。

第一部はトータルで動物が使用されている時間は6分弱と思っていたよりも短かったですが、午後からはライオンが15分、ゾウが5分ほどステージで使用されました。

午後から使用されたライオンは7頭。これまでの動物の演技とは違ってステージを囲む頑丈な檻がまず組み立てられました、そこに檻に入れられたライオンが運び込まれ、これも檻で外に飛び出さないようにされた通路を追いやられてステージにトラが一頭ずつ出てきました。

調教師が長いムチと長い調教棒を振り回すと、ライオンはあっちへ行きこっちへ行き場所を移動し、後ろ脚だけで立ったり、吠えるよう演技をさせられたり、輪をくぐったりハードルを飛び越えたり筒の上を歩かされたりしました。
目の前で振り回されるムチや、こちらに移動しろとガンガンと台の上を叩く調教棒に、体を後ろにそらし耳を後ろにそばだたせ目をシバシバさせておびえた様子のライオンもいました。目の前で振り回される調教棒を怒って払い落すようなしぐさを見せるライオンもいました。しかし最終的には言うことを聞いて、彼らは言われた通りの場所に移動し言われた通りの演技を続けました。
印象に残ったのが、台の上にのせられて、他のライオンの頭のすぐ上にかかげられた輪の中をなかなかくぐり抜けようとしないライオンです(なぜ他のライオンの頭のすぐ上に輪をかかげたのかはわかりません。この下に立たされたライオンの上に調教師がまたがって乗っていたので全体的な絵として面白いという趣向かもしれません)。
調教師はムチを何度かライオンの体にあてて、ライオンに芸を強要しました。ライオンは尻尾を緊張したように硬直させ耳を後ろに倒し、台から台へと輪をくぐって飛び移るのをしばらくためらっていました。台から台へ飛び移るのも勇気が要るしすぐ下にほかのライオンの頭があります。その上を飛び越えたいとは思わないでしょう。このような状況は自然界では存在しないし、存在したとしても避けられるならライオンは避けてとおるはずです。しかし毎日サーカスのたびにライオンはこの芸を強要されているわけです。(後述しますがこのあとサーカス側と動物の扱いについて話をさせていただいた際「直接ムチや棒を体に当てていない」と言われました。しかし実際にはなかなか動こうとしないライオンに対してムチや棒が直接体に使われていました)

ライオンが調教師からの繰り返しの催促にようやく輪を飛び越えた時、客席からは拍手と歓声が上がりました。しかしこれらの歓声がすべてではありません。私たちは木下サーカスの今年の横浜公演の間、会場前で啓発運動を行っていますがサーカス会場から出てくる人の中には「ライオンが疲れているように見えた」「無理やりさせられているみたいだった。」という声がチラホラ耳に入るからです。SNS上でも「ライオンがかわいそうだった」という木下サーカス観覧者の投稿もあります。百獣の王と言われるライオンが台の上で前足をあげて物乞いするような恰好を強いられたり、頭をうなだれてじっと台の上でおとなしくしている姿を見て目を背けたい気持ちになる人は少なくないはずです。

最後に舞台に挙げられたのは1頭のゾウです。女性二人が背中に乗って登場し、台の上で前足だけで立つ演技、後ろ脚だけで立つ演技をさせられ、その後後ろ足だけでステージの上を歩き、5分ほどで終了しました。調教師は手に調教棒を持っていましたが、それは使用されませんでした。

ステージの上を見ているだけならば、そこに存在する虐待に気が付かないかもしれません。しかし華やかなステージの裏側でどのような調教が行われゾウが逆立ちしたり後ろ足だけで歩くことを覚えたのか、私たちは想像しなければなりません。そしてステージの裏側でどんな生活を強いられているのかも知らなければなりません。

下の写真はサーカスが終わった後で、木下サーカスのゾウが収容されるコンテナです。このコンテナのサイズを見ただけでも、サーカスで動物の福祉を保証することは困難だと言えます。

右に見えるのがゾウです。左側のコンテナが収容施設です。

毎回サーカス後には会場入り口付近でゾウとの記念撮影が行われており、多くの観客が列をなしています。
この日サーカスが終わってテントを出ると、記念撮影のところでゾウは右後ろ足を鎖でつながれ、体を前後にゆらす「はた織り(weaving)」という異常行動を起こしていました。その異常行動を起こしているゾウのそばに1回800円で観客が次々並んでは写真を撮っています。はた織りはゾウの退屈、欲求不満、寂しさのあらわれです。いったん癖づいたはた織りはそれを完全にやめることは困難だとも言われています。このゾウは本来の習性を発揮できない環境に長期間置かれた結果、はた織りが癖づいてしまったのかもしれません。

ゾウの苦しみに誰も気が付かないのでしょうか。たまりかねて記念撮影のスタッフに「鎖でつながれていることは問題ではないのか」「異常行動を起こしているがそれで良いのか」を問いただしたところ、そういった話は事務所に言ってほしいとのことだったので、木下サーカスの方に来ていただき話をしました。

ゾウが異常行動を起こすような記念撮影は止めたほうがいいのではないか。舞台の上だけでストレスは十分ではないかと伝え、収容されているコンテナの小ささにも言及すると、「ずっと収容施設の中に入っているのではない。外に出ている時間が多い」との説明でした。

しかしゾウが外で自由にするといっても、そもそもそのような広いスペースは木下サーカス設営地の中にありません。サーカス終了後に、コンテナではなく外に1時間ほど出していたのは目視で確認していますがそのスペースは5m×5mほどのもので、ゾウはそこで所在なげにただ居るだけです。自然界では1日の16~20時間を探索しながら採食し活動するゾウに十分なスペースとはとても言えません。

ライオンへのムチ打ち、棒叩きについては前述の通り「ムチも棒も実際には体に当てていない」との説明でした。「調教師に従わせるためには調教師の体を大きく見せる必要がある。そのためにムチや棒を振り回している」「調教の段階でも肉体的暴力や餌を抜くなどの方法で芸を仕込むということは行っていない」とのことでした。「ライオンの調教師はずっとライオンと一緒に過ごしており大事にしている」との話もありました。

舞台の上でムチや棒のほとんどは体に当てず振り回し、台や地面を叩いているだけであったのは間違いありませんが、実際には見てきたとおり舞台の上でムチや棒が体に当てられることがありました。調教の段階でそういった行為がゼロだとは思えませんし、木下サーカスが調教の過程をすべて見て把握しているとも考えにくいです。しかし木下サーカス側は嘘ではなく、本当に暴力はないと信じているようでした。

しかし暴力は肉体的な暴力に限定されるものではありません。狭い施設に閉じ込めたり、本来の習性や生態を発揮できない環境で飼育することも動物への暴力です。ストレスとなる長距離輸送も動物への暴力です。「動物は痛みより恐怖に苦しむ」と考える動物行動学者は少なくありません。実際に体に当てられるムチや棒よりも、振り回されていつ当てられるか分からない恐怖のほうがライオンをずっと苦しめているかもしれません。

ライオンの調教師が「ライオンを大事にしている」という気持ちもおそらく本当だと思います。しかしライオンからしたら調教師は大事な人ではなく、体が大きく強く見える上位者にただ単に服従しているだけです。バランスが崩れれば彼がライオンに襲われることもあるかもしれません。定期的に動物サーカスでライオン使いをライオンが襲ったという事故が起こっています。そういった危険を知っているからこそ、木下サーカスでのライオンの演技の時は頑丈な檻を組み立て、ショーの間中大勢のスタッフがその前に待機しているのです。

そして調教師に求められているのは「大事にしている」というようなふわふわした愛情ではなく根拠のある福祉です。閉鎖された狭い環境しか用意できないサーカスで、動物の福祉を保証することはできないと私たちは考えます。

また今回直に木下サーカスを見て、動物は動物自身の社会に暮らすべきだと改めて思いました。人間社会に連れてきて舞台の上でこっけいな演技を強要すべきではありません。

そして木下サーカスは動物を使わなくても集客ができるはずだとも感じました。木下サーカスのあるスタッフは「動物がいるから人が集まる。なければ潰れる」と言っていましたが、そんな風には感じません。
木下サーカスに来る人が引き寄せられるのはあのテントのレトロなサーカスという雰囲気と、オーソドックスなピエロ、空中ブランコ、大車輪、バイクホール、ジャグラーや輪投げの大道芸です。ボリショイサーカスとは違い観客とステージの距離がどこからでも近く、観客とステージとの一体感があります。観客も一緒にステージを盛り上げようという雰囲気がありました。日本で唯一のサーカス団です。動物を使わないエンターテイメントとして存続してくれることを願っています。
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 出典・引用元WEBサイト: NPO法人アニマルライツセンター 毛皮、動物実験、工場畜産、犬猫等の虐待的飼育をなくしエシカルな社会への更新情報

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